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論文(?)感想第2弾
・・・と思って、

「癌免疫療法の開発:メラノーマ研究からのレッスン」
慶應義塾大学医学部 河上 裕 先生
日本臨床免疫学学会誌 vol.27 no.3 p.87~99

を読んでみたけど、勉強不足でやや理解程度が低い
ていうか論文じゃあないんだけどこういうのなんていうのかね?

まぁそういうわけで、腫瘍免疫についての話でも簡単に書き綴ろうかなと思ってます。夏休み暇だな。勉強してなきゃ来年危ないし、不安だし、それ自体は好きだから特に問題はないんだけど、なんか物足りない。今欲しいものは、物でもお金でも彼女でもなく、共通の目標や興味を持って勉学に励んで研究を行える友人。うん。とーぶん無理だわな。
で、今日たまたま先輩で、もう早々と就職した会社を辞めてしまった人がいるという話がまいこんできました。嗚呼、無常なり・・・こんなご時世退職してしまってどうしようというんでしょうか。やりたいことがあるにせよ、もっと人生に計画性を持たないと。と、思いつつ、今までの自分の人生振り返って、そうなりそうな自分自身に不安になってますが。
ま、その話はおいといて、腫瘍免疫について。基本の免疫機構について説明はしないけど、生体では常に腫瘍化した細胞を見つけ、除去する免疫機構が働いていて、それを免疫学的監視機構っていいます。それによって、腫瘍自体がそこまで頻発に出現しない、また、稀ですが腫瘍の自然退縮を引き起こします。まぁ、腫瘍化した細胞が正常の”自己self”細胞とは異なるので、”非自己not-self”と認識して除去することを考えれば当然のわけですが、外来抗原と違ってもともとは自己の細胞であるため、免疫学的に除去機構が働くためには自己でなく、非自己と認識するための抗原が必要ですね。そういった腫瘍の抗原を腫瘍関連抗原(tumor associated antigen TAA)というんですが、これは広く腫瘍細胞に発現し、腫瘍細胞として特異性の高いものの総称で、そのうち腫瘍細胞にのみ発現している抗原を腫瘍特異抗原というわけです。TAAは全て腫瘍特異抗原じゃあないのかといわれると、実際はそうではないらしいです。当たり前ですけど、腫瘍細胞は個々の遺伝子制御の破綻や細胞周期の異常によるところもあり、組織特異的抗原以外に全く関係ない抗原を発したり(例えば肺癌で、もともとは肺の細胞なのに肝臓の抗原を表出するなど。こんな例えがあるかどうか知りませんがね)、胎児期にしか出さないα-fetoproteinの再出現やHSP(ヒートショック蛋白)、アロタイプ抗原の表出、またまた、細胞膜の糖タンパクの異常修飾などなど・・・有名なのではMAGEといって正常なら精巣にしか現れない抗原で、様々な腫瘍細胞に発現するものなどがあります。
で、こういったTAAはどうやって同定するかというと、代表的な方法でSEREXという方法があり、腫瘍細胞中のmRNAを抽出しcDNAにし、大腸菌などでトランフェクションさせ、その発現蛋白から患者血清IgGが反応するのを選び出すという手法です。一回やってみたいです。勿論ヒトじゃなくてマウスでですが。
TAAがあるということで、免疫学的監視機構が成り立つわけですが、すごーく簡単に免疫機構をまとめてしまうと、腫瘍出現→周辺組織の炎症→NK,NKT,γδT細胞、Mφ、DCなどの集積による免疫。細胞破壊としては補体はTAAの密度が小さいため溶菌というよりオプソニン効果を、Mφも貪食というよりサイトカインなので、どちらかというとCD8+細胞、NK細胞が主役となるサイトトキシン(パーフォリン、グランザイム)やFasL、DCによるTRAILのアポトーシス誘導で破壊します。とりあえず始めは。で、これらのMφやNKTによってIFN-γがだされることで血管新生の抑制(腫瘍も大きくなると内部に血管がないと栄養補給老廃物排除ができない)、ケモカイン産生、Mφ、DCの活性化を引き起こし、活性化したDC(Mφも?)が腫瘍細胞を取り込みMHCに抗原をつめてリンパ節にいき、T細胞(CD4+、CD8+T細胞)の活性化を引き起こし、上記したような障害作用を示す・・・ってな感じらしいです。個々の細胞種の働きは色々だけど、いちいち書かない。けど、最近色々なところでみかけるTNF(tumor necrosis factor)-αは腫瘍を直接傷害する以外に局所で血管内皮細胞に作用し、血栓を形成させることで腫瘍を壊死させる作用があるそうな。血管ってことならIFN-γの血管新生抑制と効果としては似てるのかな。血栓って確か血小板が血管内皮の傷害に対して、樹状的形態に変化して集合してできる塊だった気がするけど。薬理学の授業のPGの作用のところでやった記憶が・・・アスピリン製剤投与によるシクロオキシゲナーゼ阻害によるアラキドン酸カスケードの一方を阻害してPG生成阻害することによる血小板凝集作用の抑制(出血傾向)って話で。血小板凝集阻害のPGI2を放出してるのは血管内皮細胞で、血小板凝集因子TXAを放出してるのは血小板自体だったと思うから、血栓形成ってーのはアスピリンみたいな非特異的な薬物じゃなくて血管内皮特異的シグナルによるPGI2(生成)阻害作用から来るのかな。あ、TNF-αの血栓形成方法の推論ってことで。
まーこんな感じで免疫学的監視機構が働いているんだけど、俺もここら辺まではなんとなーくは勉強してたんだけど、じゃーなんで癌になるのさ?って話になるわけじゃないですか。実は腫瘍にはこういった免疫機構からの回避というものがあって、その色々な方法には驚かされます・・・きっと。
たくさんあるし、細かい話ものあるから書けそうなのだけ書きます。とりあえず、免疫やってる人はわかると思うけど、Mφ、NK細胞などの一部の細胞種を除いたら免疫系は特異的に抗原を除去しなければならない。ってことで始めにTAAの話とか書いたんだけど。でも、そのTAAを被膜物質で覆っちゃうことがあるらしい。これでは腫瘍を認識できませーん。他に抗体がTAAに結合したらTAAを細胞内に隠す(抗原モジュレーション)とか、MHC自体の発現量を低下させたりしちゃうらしい。で、TAAを発現してるのはやられちゃうとしたら、TAAを発現していない腫瘍細胞だけが生き残って増殖していくらしいんですが、自然に癌が治る人、全く治らない人の違いってのはこういうことに起因しているのかもしれないですね。他に面白いのはTAA自体を放出してTCRと結合させて、腫瘍を認識できなくさせたりしてるみたい。
中でも最高なのは腫瘍細胞がFasLを発現し、また放出してリンパ球のアポトーシス誘導をするというもの。また、腫瘍細胞自身がアポトーシスシグナルの阻害で傷害に強くなったりTGF-βやPGE2による免疫抑制を行うことがあるそうです。この腫瘍細胞のなんと強いこと・・・腫瘍細胞を破壊しようとする免疫機構から逃れるだけではなく、逆に攻撃を仕掛けてくるそうな。まじでびっくりした!今までの腫瘍細胞の認識が大きく変わりました。異常自己細胞というより最強の外来病原微生物のごとく体を破壊していますよ、こいつら。
今のところ種種の免疫療法が開発され、効果をあげているものもありますが、根本的な免疫治療は”腫瘍抗原はない。あっても隠される。”という点の改善方法がないと難しい気がします。免疫療法としては、免疫系自体の機能を高める、リンパ球のin vitroでの人工的活性化、モノクローナル抗体など抗体を利用したもの(ミサイル療法など)、サイトカインやトランスフェクション法などがあります。腫瘍抗原のことを考えるとトランスフェクション法で強制的(人工的)に腫瘍細胞に特異的産物(抗原、サイトカイン)を産生させる方法が有望な気がしますが、詳しい方法を知らないのでなんとも・・・
一般的な腫瘍(癌)というか、上皮癌・黒色色素皮膚癌(メラノーマ)についてはすごい研究が詳しくされてるそうな。
腫瘍免疫は今とってもやりたい科学分野だけど、腫瘍ってすごい色々な方面からの研究が盛んで、絶対に免疫とか、一方からだけの視点じゃあ解決できないものだと思う。ただ、こうやって勉強することで免疫学の視点から見た腫瘍については分かる。もし、腫瘍免疫やるんだったら生理活性物質も学んで、抗腫瘍薬の機能とか調べていきたいな。うん。
もし研究するとしたら・・・TNF-αの作用機構とか、これを利用したものとかやりたいかな。腫瘍免疫をやっただけで、詳しいサイトカイン作用機構はまだやってないからなんともいえんけど。

ってゆーか、こんな俺の一人言だけど、これ読んで感想があればコメントください。いたらびっくり。
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